なぜ、ウォーレン・バフェットはIBMの株を買う?

バフェット銘柄のIBMについて、バフェットがIBM株を買う理由について考察します。IBMの株価は、2014年の年第3・四半期決算発表後には、一時8.1%もの大幅下落をしました。

その後、株価もほぼ横ばいで推移して、2015年1月20日に発表された12期連結決算も、売上高と継続事業純利益ともに6~7%減とふるいません。

深刻なのが、全市場で減益(とくに新興国での落ち込みが大きい)、主要3事業(ソフト・サービス・ハード)全てで減益、それらが影響してか11四半期連続で減収となっていることです。

「バフェットは大丈夫か」とつい言いたくなってしまいますが、バフェットはこのIBMを状態をどう考えているのでしょうか?

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2011年→2015年3月までのIBM

2000年前後のITバブル時も含めてハイテク株に投資しなかったバフェットが、2011年11月にIBM株の約5.5%を取得したことは多くの方が驚きをもって受け止められました。

その時、バフェットはIBMはハイテク株ではなく、「IT企業を手助けする会社」と位置づけました。

確かに、IBMはパソコン事業をLenovoに売却したことが象徴するとおり、ハードからクラウド・新興市場にもと事業を転換していく方針を打ち出して、2015年までの中期経営計画を発表しています。

さらに、自社株買いを積極的にすることで、株主への配分をしっかりしていくところがとても評価できました。

では、2015年3月現在のIBMはどうかというと、新興市場での売上高減・クラウドでの出遅れなど心配になってしまうことばかりです。

そして、5年間で700億ドルの自社株買いをしてROEが69%にもなったIBMは、もはや「自社株買いをする会社」といったイメージしかありません。

では、そのような状態のIBMをバフェットはどう考えているのでしょうか?

IBM株急落でもバフェットは買い増し

バフェット率いるバークシャーの持ち株状況では、650万株の買い増しをして、IBM株保有数は1割増加となっています。(2015年2月17日)

やはり、リーマンショック時と同様に市場が暴落した時に買い増すバフェットは、IBM株が急落したことを好機と捉えて買い増ししていました。

こういう一貫しているところが、株主がバフェットへの信頼を寄せる理由だと思います。

さらに、バフェットは2011年度の株主への書簡で、「IBMの株価が5年間で低迷することが株主にとっては喜ばしいこと」だと語っています。

どういうことかというと、上限の決まった金額で自社株買いをするときに、株価が低ければ自社株買いの費用が少なく済んで、さらにその余ったお金を自社株買いに使えるということです。

結果として、より多くの自社株買いをすることになり、1株あたりの価値が上がります。

IBMはというと、IBM株急落後の2014年10月28日に自社株買い枠を50億ドル増加する発表して、バフェットが望む展開とも言えるのかもしれません。

しかし、やはりIBMの新興市場での売上高減とクラウドでの出遅れは少し気になってしまいます。長期では「IBMは有望」だと感じているので、IBMの注目すべき事業について考えてみます。

人工知能(ワトソン)と「IoT×ブロックチェイン」

人工知能「ワトソン」

今までのコンピューターといえば、膨大な情報から正確に・時間がかからずに、情報を引き出すことが彼らの仕事でした。

膨大な量の情報を記憶することでは人に対して優位性がありましたが、新たなことを想像するのはコンピューターにはできませんでした。

しかし、ワトソンは今までとは違います。記憶した膨大な情報から、それらを組み合わせて創造することができるからです。

まるで、人が古いものの形を新しい技術でデザインするようなものです(配車アプリのUBERなどのシェアリングサービスなども本質的にはこれにあたると考えられます)

これが、どんどん進んでいくと、本当にトップ1%の今までに全く考えられなかったことを発明する人以外は、すべてコンピューター(人工知能)とロボットに置き換えられます。

さらに、2014年7月に発表されたIBMとAppleの提携により、モバイルとクラウドの開発者ベースを「ワトソン」のために利用できるようになったのも、さらに加速していく要因となりそうです。

IBMもワトソン事業部門に10億ドルの投資するようで、ワトソンをIBMの主力商品として考えていくつもりでしょう。

もし、IBM株に投資するなら、Appleとの提携していることもあるので、ヘルス分野でのニュースをチェックすることでその動向がある程度わかると思われます。

IoT×ブロックチェーン

「IoT」とはモノのインターネット化や自動化と呼ばれ、ウェアラブル端末やスマートフォンを使って様々なデバイスを制御することです。

このIoTに必要になってくるであろうのがブロックチェーン技術です(参考 : 仮想通貨「Bitcoin」を完璧に理解するためにしっておきたいことまとめ

IoTではセキュリティとプライバシー対策が必須で、ブロックチェーン技術はそれらを満たすのに最適なパートナーとなりえます。

IBMはサムスンと提携しており、IoTは実証する段階までいっているみたいです。長くなりましたが、最後にもう一度、バフェットとIBMについてまとめます。

現在のIBMはバフェットの予想通り

バフェットはIBMをIT企業ではなく、「IT企業を手助けする会社」と位置づけました。

バフェットと会ったことも話したこともないので真意はわかりかねますが、おそらくモノを売るIT企業ではなく社会のインフラとなるサービスを売るIT企業だと位置づけたのでしょう。

そう見てみると、人工知能や「IoT×ブロックチェーン」は、IBMかどうかは別にして社会のインフラとなりうるサービスに必要な技術です。

これまでのIBM株急落時の買い増しや、IBMの事業展開についてはバフェットのセオリーどおりの展開なんでしょう。

個人的には、IBMの自社株買いが限界に近付きつつあることが、本質的なIBM株急落の要因のひとつだろうと思います。

もうひとつは、新たなステージに上がる前の産みの苦しみだとも。まあ、決算は悪かったんですけどね(^^;;

高く飛び立つためには、しっかりとした地盤が必要です。さすがに11四半期連続で減収なのは少し心配になりますけどね。

偉そうに言ってきましたが、何よりもバフェット銘柄であることがIBM株の魅力かもしれません。

▼個人投資家がバフェットから学ぶべきこと

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